鳴かぬなら 他をあたろう ほととぎす

妖怪・伝説好き。現実と幻想の間をさまよう魂の遍歴の日々をつづります

仏教寺院

神が寿ぐ歌 ~新古今和歌集の神祇歌より

Noteを更新しました。ご一読いただければ幸いです。 Noteの投稿は2000文字以内がいい、みたいな意見を読みました。長文投稿ばかりしている身からすると正直「2000文字程度で何が書けるんだよ」とか思ったりもするのですが、やってみた。 やろうと思えばでき…

石川県、大聖寺にてクラゲの妖怪と混沌の歴史と遭遇す 

以前やっていたNoteを再開することにしました。こっちのはてなブログは長文メイン、Noteの方はもうちょっと軽めの雑記風の路線で行こうかと思っています。 もしよかったら併せて一読いただければ幸いです。 シェアした投稿は水木しげるファンの方ならおなじ…

江戸時代の怪談から女人救済の世界を垣間見る ~京都・誓願寺ほか

“晴れやらぬ 身のうき雲の たなびきて 月の障りと なるぞ悲しき” ~和泉式部(978?-不明) このところ出だしに歌を紹介することが多くなっているので今回も踏襲してみました。なかなかに見栄えがするかなぁ、と(笑)あと最近「~を覗き見る/垣間見る」って…

建礼門院徳子の歌から平家物語と中世日本の世界観を覗き見る ~京都大原・寂光院その他

“思ひきや 深山の奥に 住居(すまい)して 雲居(くもゐ)の月を よそに見むとは” --建礼門院徳子(1155-1213?)作として平家物語に登場 日本史を代表する「悲劇のヒロイン」ともいえる建礼門院徳子、源平合戦の最終章たる壇ノ浦の合戦において息子の安徳天…

平安ノスタルジーの世界をたどる 清少納言と藤原定子、一条天皇 ~京都・鳥戸野陵

“あらたまる しるしもなくて 思ほゆる 古(ふ)りにし世のみ 恋いらるるかな” 「世の中が変わる様子もなく、ただただ過ぎ去ってしまった昔の世を恋しく思います」 ---清少納言が詠んだ歌。 近年「昭和ノスタルジー」ともいうべき風潮があちこちに見られます…

昇龍は巨樹を頼る? ~左甚五郎作の龍の彫刻から龍伝説をさぐる

↑の画像は日本三景のひとつ天橋立のビュースポットとしてもおなじみ、成相寺(なりあいじ)の本堂にある「真向の龍」。成相山の中腹に位置している傘松公園からさらに山を登ったところにあります。 この成相寺、西国三十三ヶ所観音霊場のひとつ、住所からし…

かつての葬送の地にて法華経の世界を垣間見る ~京都化野念仏寺と岡山の福田海はなぐり塚

↑の画像は京都府京都市、嵯峨鳥居本化野町(いつも思うことですが京都の地名って面白いですね)にある化野念仏寺。 観光スポットとしても有名なところですが、その中でもとくに撮影スポットとなっているのがこの「西院(さい)の河原」。ちなみにこのエリア…

Yoshizaki Gobou -the beginning of great success of Jōdo Shinshu in Fukui and Ishikawa prefectures

↑A statue of Rennyo The images I posted on this post are the site of "Yoshizaki Gobou" in Awara city, Fukui prefecture. it's located in the prefectural border between Fukui and Ishikawa. If you have visited Kyoto city you may see two large…

伊勢の地から浜松へ、天照大御神と稲荷信仰をさらに追う!(でもかなり脱線)

今回は前回の投稿の補足みたいな内容です。前回の投稿は↓で。ご一読いただければ幸いです。 aizenmaiden.hatenablog.com ↓の画像は静岡県浜松市にある岩水寺。この名前を冠した鉄道駅が遠州鉄道(遠州岩水寺駅)と天竜浜名湖鉄道(岩水寺駅)にそれぞれある…

比叡山にて、石仏を前に中世の弥勒信仰に思いを馳せる

↑の画像は比叡山の山中にある弥勒石仏。無造作に置かれている印象ですが、かなり古いものらしく鎌倉初期ころの作とのこと。広大な境内を誇る比叡山延暦寺の西塔から横川へと行く途中にあります。途中に京都と滋賀の県境もあります。 なんでも数百年もの間忘…

印象派の150周年記念イヤーにイラストと遺跡で光と戯れてみた!

久しぶりの投稿となりました。このところお絵かきに没頭しておりまして。そのうちの一枚がコレ↓ タイトルは「Rainy Shade of Love」。梅雨時の光景を前景&後景に百合の世界を表現してみました!神社の神紋も百合! イギリスのプロコル・ハルムの1967年のヒ…

大和朝廷における「武」の時代の終焉と悪路王の戦い

--------------------------------- Ho!Ho!Ho! むかし達谷の悪路王 まっくらくらの二里の洞 わたるは夢と黒夜神 首は刻まれ漬けられ ------------------------------- 上記の詩は宮沢賢治作「原体剣舞連」の一部です。今回ご紹介する岩手県平泉にある達谷窟…

天下人と稲荷信仰 その2 ~最上稲荷とか

前回の投稿に続いて「天下人に影響を及ぼした(かもしれない)神仏の存在」について。 「その1」はこちら↓ aizenmaiden.hatenablog.com 今回ご紹介するのは岡山県岡山市にある最上稲荷。正式名称は最上稲荷山妙教寺。ここの稲荷も前回紹介した豊川稲荷と同じ…

天下人と稲荷信仰 その1 ~豊川稲荷

豊川稲荷妙厳寺の大本殿 前回に引き続き武田信玄の西上を阻んだ(かもしれない)神仏のネタです。 日本でもっとも数が多い神社は八幡神社、ついで稲荷神社と言われています(稲荷を祀った小さな祠を含めればおそらくこちらが1位でしょう)。東京などは江戸時…