近畿地方
本年2025年は巳年、ということで蛇絡みの伝説のひとつでも取り上げておかなきゃいかんだろう、というわけで、本投稿の舞台は京都の大原地区。 タイトルからもご推測いただけると思いますが、まったく繋がりがなさそうな3つのテーマを強引に結びつけて書いた…
“さざ波や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな” By 平忠度(1144-1184)from 千載和歌集 前回の投稿で藤原定家(1162-1241)の名前をチラリと出しましたが、今回は主役級の扱いで。 1.「平家物語」に登場する平忠度のエピソード 1-1.エピソードの概…
1.「宇治拾遺物語」にあるちょいとおもしろい説話 1-2.この説話に秘められた神仏の世界観 2.かつての日本人の信仰/精神世界をさらに探ってみる 2-1.浄土宗や修験道との関係 2-2.五条の地に伝わる他の説話・伝説 1.「宇治拾遺物語」にあるちょいとおもしろい…
“神風や みもすそ川の そのかみに 契りしことの 末をたがふな” ---by 藤原(九条)良経(1169-1206) from 新古今和歌集(1871) 前に何度か新古今和歌集の神祇歌をネタにしたのでもう一度。歌の作者九条良経は源頼朝と朝廷の橋渡し役を担った藤原(九条)兼…
“年経(ふ)とも 越の白山 忘れずは かしらの雪を あわれとも見よ” ---藤原顕輔(1090-1155) from 新古今和歌集・神祇歌(1912) この歌の作者は院政の創始者にして権力の絶頂を極めたとも言われる白河上皇の近臣として羽振りを利かせていた(でも途中で失…
“補陀落(ふだらく)の 南の岸に 堂立てて 今ぞ栄えむ 北の藤波” -新古今和歌集 神祇歌(1854) いつもわたくしの投稿をお読みになってくださっている方(ありがとうございます!)でしたら↑の歌を見て「あれ?前回のnoteをシェアした投稿で取り上げていたのと…
Noteを更新しました。ご一読いただければ幸いです。 Noteの投稿は2000文字以内がいい、みたいな意見を読みました。長文投稿ばかりしている身からすると正直「2000文字程度で何が書けるんだよ」とか思ったりもするのですが、やってみた。 やろうと思えばでき…
1.キリスト教伝来と禁教化 2.キリスト教の急拡大には弥勒菩薩への信仰がかかわっていた? 3.日本のマリア信仰の背後には如意輪観音信仰あり? 4.豊臣秀吉による「弥勒の世の到来」、そして禁教へ 5.京都市内のキリシタン関連史跡から推測する女人救済との関…
Noteを更新しました。ご一読いただければ幸いです。 以前に清少納言と中宮定子についての投稿をしたことがありましたが、この投稿ではそんな二人のエピソードを「枕草子」から紹介してみました。 note.com ランキング参加中神社仏閣・古墳・歴史的建造物めぐ…
“思ひきや 深山の奥に 住居(すまい)して 雲居(くもゐ)の月を よそに見むとは” --建礼門院徳子(1155-1213?)作として平家物語に登場 日本史を代表する「悲劇のヒロイン」ともいえる建礼門院徳子、源平合戦の最終章たる壇ノ浦の合戦において息子の安徳天…
↑の画像は奈良県葛城市にある「傘堂(または唐傘堂)」。二上山から當麻寺、石光寺などの当地を代表する観光スポットを巡るルート上にあります。 名前は見た目が傘(唐傘)のような形状をしているため。現在は補強材が追加されていますが、もともとは中央の…
本投稿は前回の投稿の補足みたいな位置づけになっています。 前回の投稿は↓。ご一読いただければ幸いです。読まなくても本投稿をお読みになるうえでとくに問題はありません…けど、も(笑) aizenmaiden.hatenablog.com 紫式部や清少納言、藤原道長の時代が活…
“あらたまる しるしもなくて 思ほゆる 古(ふ)りにし世のみ 恋いらるるかな” 「世の中が変わる様子もなく、ただただ過ぎ去ってしまった昔の世を恋しく思います」 ---清少納言が詠んだ歌。 近年「昭和ノスタルジー」ともいうべき風潮があちこちに見られます…
さて、前回の投稿の続き。これからが本番です。前編をまだお読みになっていない方はぜひご一読のほど、よろしくお願いいたします↓ aizenmaiden.hatenablog.com 前回の最後に少し触れた藤原道長の邸宅、土御門邸。現在の京都御苑の敷地内にあったのですが、残…
今回の投稿では安倍晴明から今年の大河ドラマの世界にちょっとばかり迫ってみたいと思います。 なお、これは以前別のブログで投稿したものをちょっと書き直したものです。 ところで、80年代から90年代にかけての時代には今思うとかなり斬新なテレビ番組が放…
↑の画像は滋賀県高島市にある「乙女ヶ池」で撮影したものです。 池の中央を縦断する形で橋(太鼓橋)がかけられていまして、なかなかに風情ある雰囲気を楽しむことができます。 そして今回の記事のタイトルはセーラームーンのEDテーマ曲(1993)から。これ歌…
↑の画像は琵琶湖の西岸、滋賀県高島市鵜川の地にある「鵜川四十八体石仏群」。近年SNSでよく撮影スポットとしてよく上げられる海上鳥居がある白髭神社の近く(車がガンガン通る道をちょっと歩きますが)にあります。↓が説明板 このエリアの西側に広がる比良…
↑の画像は日本三景のひとつ天橋立のビュースポットとしてもおなじみ、成相寺(なりあいじ)の本堂にある「真向の龍」。成相山の中腹に位置している傘松公園からさらに山を登ったところにあります。 この成相寺、西国三十三ヶ所観音霊場のひとつ、住所からし…
↑の画像は京都府京都市、嵯峨鳥居本化野町(いつも思うことですが京都の地名って面白いですね)にある化野念仏寺。 観光スポットとしても有名なところですが、その中でもとくに撮影スポットとなっているのがこの「西院(さい)の河原」。ちなみにこのエリア…
京都府宇治市の中心エリア。宇治十帖の舞台ゆえに源氏物語ゆかりの地として紹介されることも多い観光名所。しかし近年のオーバーツーリズムの影響で人が多すぎて…源氏物語では地名の宇治を「憂し」と結びつけられる場面がしばしば出てきますが、今の状況が続…
↑の画像は比叡山の山中にある弥勒石仏。無造作に置かれている印象ですが、かなり古いものらしく鎌倉初期ころの作とのこと。広大な境内を誇る比叡山延暦寺の西塔から横川へと行く途中にあります。途中に京都と滋賀の県境もあります。 なんでも数百年もの間忘…
前回、前々回に続いての大津ネタ。↑は滋賀県大津市の長安寺にある通称「関寺の牛塔」。 京都駅からJR琵琶湖線に乗って10分ほど、大津駅のほど近くにあります(最寄り駅は京阪電鉄の上栄町駅)。「大津事件」の現場を伝える碑からも近いです。オーバーツーリ…
前回の投稿でも触れましたが、先日滋賀・京都に行ってきました。滋賀県の西側、湖西エリアや大津エリアにはステキないくつか石仏がありまして、それを見て回るのも今回の旅行の大きな楽しみでした。 そんなステキな石仏のひとつが大津市にある「志賀の大仏」…
後述しますが、↑はわたくしの自作の大津絵です(笑)本投稿の表紙用。 先日滋賀県の大津市へ観光に訪れた際に当地の名物「大津絵」を見る機会がありました。もっとも現地ではあちこちで見られるので嫌でも目につくのですが(笑) 大津絵。かつて東海道の要衝…
前回の投稿の姉妹編とも言うべき内容です。↓併せてご一読いただければ幸いです(読まなくても本投稿をご理解いただくうえでとくに問題ありません)。 aizenmaiden.hatenablog.com 前回の投稿では各地に伝わる稲荷のキツネが人間のお使いとして大活躍する(ただ…
神さま/仏さまの像に色を塗りたくる(化粧をする)習慣が各地に見られます。有名なのでは青森・津軽地方の化粧地蔵と九州南部の田の神さぁ(田の神さま)がまず挙げられると思いますが、前者のルーツは京都の化粧地蔵だと言われており、現在でも京都の中心部にお…
「酒呑童子絵巻」 根津美術館所蔵 というわけで後半です。前編を読んでくださった方、ありがとうございます。 前編ではもともと武士とは「破邪/辟邪の力」を朝廷から期待されており、その力でもって災厄やケガレが朝廷に降りかかるのを防ぐ役割を担っていた…
勝川春亭「頼光朝臣酒呑童子オ退治之図」 先月末、京都府福知山市にある大江山へ鬼退治へ出かけてきました。 当日の天気予報は朝方まで曇り、午前の半ば過ぎくらいから曇りになる...だったのですが、朝から降り続けていた雨は止む気配はおろかどんどん強まり…